身の回りにある小物・雑貨も、リア・スタンにとっては制作インスピレーションの源です。１９７０年代に制作されたこのミニチュア版の本も、身近なモチーフを取り入れた作品の１つです。

本のブローチには、閉じたタイプと開いたタイプの２種類があります。
閉じた本（Livre fermé）は、表紙部分が作品の「顔」となるため、華やかなラメや色彩のパーツが使用されています。

開いた本（Livre ouvert）は、ページの質感が忠実に再現されています。
オフホワイトのレイヤーをサイズを変えながら３層重ね、ページらしい”うねり”をつけて本の開きを表しています。中央に添えられた栞が、まさに読みかけの本そのものの風情を出しています。

表の技巧に注目しがちですが、このブローチは背面もとても美しく作られています。 渦巻き模様やユニオンジャック柄など、ユニークな柄が多用されています。着けた時には見えない裏にもこだわるところが、なんとも粋ですね。

フランスは日常的に本を読む人の割合が多く、2019年のCentre National du Livreの調査では88％のフランス人が本をよく読むと答え、その中の93％は１〜２ヶ月に１冊のペースで読んでいるそうです。 バカンスに出かける時に、数冊の本を旅のお供として持っていく人も多いと聞きます。
リアの自宅も、写真集やアートに関する本がたくさんあります。美しい画集から制作のインスピレーションを得ることもきっとあるのでしょう。 ちなみに夫フェルナンは、葛飾北斎の作品集を持っています。キツネのブローチに青海波を取り入れるなど、日本文化への関心が強いファルナンならではの蔵書ですね。

アン・ブーケ・ドゥ・フルールでは、本のブローチをお取り扱いしております。

リア・スタンや作品についてもっと詳しく知りたい方は、小冊子もどうぞご覧下さい。

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